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離陸許可

- Take-off Clearance -


 駐機場から、滑走路へ向かってきた航空機は、このタワーの離陸許可で最終的に離陸することができます。

 タワーとの交信手順は、およそ次のようになります。
(1)
 管制官は、滑走路手前まで走行してきた航空機に対し、滑走路に入って離陸待機するように指示します。
(→交信例1)

 なお、出発機がジャンボ機などの場合で、滑走路の安全が確認されている場合は、離陸待機はさせず、誘導路から進入する時点で「離陸許可」を出すことがあります。
 よく、誘導路から、滑走路に入った途端にエンジンが全開になり、すぐに離陸滑走を始めたということを体験された方は、まさにこの状態になっているということです。
 逆に、滑走路に入っているのに、離陸滑走を始めないのは、諸般の条件で「離陸許可」がなかなかでないためです。

 また、着陸機がある時などは、滑走路の入口手前で待機するするように指示されます。(→交信例2)

(2)
 管制官は、出発方向の空路上に他機が飛行していないなど安全を確認したした後、離陸許可を出します。
(→交信例3)

(3)
 航空機の離陸が確認されたら、「ディパーチャ (Departure)」に管制が移管されます。(→交信例4)

 なお、ディパーチャが置かれていない空港の場合は、管制圏を離脱するまで、タワーの管轄となります。

(4)
 管制圏を離脱する手前で、「コントロール (Control)」に管制が移管されます。(→交信例5)

 ディパーチャ が置かれている空港では、このディパーチャが「コントロール (Control)」に管制を移管します。この場合の交信内容は、上記(→交信例5)と全く同じです。


【交信例1】
 ジャスナ航空789便に対する滑走路進入許可
管制官→パイロット
" JASNA AIR 789, Taxi into position and hold "
ジャスナエア セブンエイトナイナー, タキシー イントゥー ポジション アンド ホールド) 
「ジャスナ航空789便、滑走路に入って待機して下さい。」


【交信例2】
 ジャスナ航空789便に対して、滑走路手前で待機させる場合
管制官→パイロット
" JASNA AIR 789, Hold short of runway "
(ジャスナエア セブンエイトナイナー, ホールド ショート オブ ランウェイ)
「ジャスナ航空789便、滑走路手前で待機して下さい。」

【交信例3】
 ジャスナ航空789便に対する離陸許可

(3−1)管制官→パイロット
" JASNA AIR 789, Wind 180 at 5,
  Cleard for Take-off runway 19R "
 (ジャスナエア セブンエイトナイナー, ウィンド ワンエイトゼロ アット ファイフ,
    クリアード フォー テイクオフ ランウェイ ワンナイナー ライト
「ジャスナ航空789便、風が180度方向から5ノットの速さで吹いています。滑走路19番右側からの離陸を許可します。」


(3−2)パイロット→管制官
" Cleard for Take-off, JASNA AIR 789 "
(クリアード フォー テイクオフ, ジャスナエア セブンエイトナイナー)


【交信例4】
 ディパーチャへの管制移管
管制官→パイロット
" JASNA AIR 789, Contact Departure "
ジャスナエア セブンエイトナイナー, コンタクト ディパーチャ)
「ジャスナ航空789便、ディパーチャと交信に切り換えて下さい。」

※ディパーチャとの交信周波数は、管制承認の時点で連絡されているため、ここでは通 知されません。


【交信例5】
 コントロールへの管制移管
(5−1)管制官→パイロット
" JASNA AIR 789, CONTACT SAPPORO CONTROL 116.3 "
ジャスナエア セブンエイトナイナー, コンタクト サッポロコントロール、ワンワンシックス デシマル トゥリー)
「ジャスナ航空789便、周波数116.3MHzで札幌管制部と交信して下さい。」
(5−2)パイロット→管制官
" CONTACT SAPPORO CONTROL 116.3, JASNA AIR 789 "
(コンタクト サッポロコントロール、ワンワンシックス デシマル トゥリー, ジャスナエア セブンエイトナイナー
「周波数116.3MHzで札幌管制部と交信します。ジャスナ航空789便(了解)。」

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