詳し～ク　－航空交通管制（Air Traffic Control）

気象用語の意味と発音

風の表現方法

　航空機を運航する場合、「風」は非常に重要な要素となります。
　風に関する情報は「風向情報」と「風速情報」をセットで表し、基本形は次のようになります。（()内の用語は省略できます）

　【風に関する情報の基本形】

　　　WIND <風向情報> AT <風速情報> (KNOTS) <追加情報>
　　　(ｳｨﾝﾄﾞ）　　　　（ｱｯﾄ）　　　　　　（ﾉｯﾂ)

＜風向情報＞

　風向は磁北から時計周りに１０度刻みで表わされ、１００度未満は、０（ゼロ）を前置きして、必ず３桁で表わします。つまり、０１０～３６０で表わされることになります。（磁北は３６０になります。）
　数字は一桁ずつ読みます。また１の位の角度は近い１０の位にまるめられます。

　風の吹き方により次の３つに分類できます。
- 風向がおよそ一定している場合
  
  　その風向を直接、表現します。
  
  　　　<風向> (DEGREES)
  　　　　　　(ﾃﾞｨｸﾞﾘｰｽﾞ)
- 風向が一定でない場合
  
  　風向が６０度以上に変化する場合、その範囲で表現します。
  　この場合、中心から見て最も左側にあたる風向を「開始方向」、最も右側にあたる風向を「終了方向」として表わします。
  
  　　　(DIRECTION) VARIABLE
  　　　BETWEEN <開始方向> AND <終了方向> (DEGREES)
  　　　(ﾃﾞｨﾚｸｼｮﾝﾊﾞﾘｱﾌﾞﾙ）
  　　　　（ﾋﾞｯﾄｳｨｰﾝ）　　　（ｱﾝﾄﾞ）　　　　　　（ﾃﾞｨｸﾞﾘｰｽﾞ)
＜風速情報＞

　風速はノットで表わされ、少数以下は表現しません。また風向と違い桁数は決められていませんので、０（ゼロ）の前置きはありません。つまり１～測定限界値で表わされます。数字は一桁ずつ読みます。

　また「無風」の時は、「風向情報」が省略され、この時「風速情報」の前にある「ＡＴ（ｱｯﾄ）」という単語も省略されます。
- 風速がおよそ一定している場合
  
  　その風速を直接、表現します。
  
  　　　<風速> (KNOTS)　
  　　　　　　　(ﾉｯﾂ)
- 風速が一定でない場合
  
  　風速の平均値と、最大瞬間風速で表わします。
  
  　　　<風速> (KNOTS) MAXIMUM <最大瞬間風速> (KNOTS)
  　　　　　　　(ﾉｯﾂﾏｷｼﾏﾑ）　　　　　　　　　　　　　（ﾉｯﾂ)
- 風が吹いていない場合
  
  　無風という意味の単語で表現します。
  　この場合「風速情報」および「AT」は省略されます。
  
  　　　　CALM
  　　　　（ｶｰﾑ）

＜追加情報＞

　風向の補足として、現在の風向が航空機に対してどのような風であるかを助言し、注意を促します。

追加情報	単語表記	意　　　　　味
後ろ風	TAIL WIND	航空機に対して後ろから吹いている
左からの横風	CROSS WIND FROM LEFT	航空機に対して左からの横風が吹いている
右からの横風	CROSS WIND FROM RIGHT	航空機に対して右からの横風が吹いている

（例１）
「風は３２０度方向から、８ノットの強さで吹いています。」

　→ " WIND 320 DEGREES AT 8 KNOTS "
　　（ｳｨﾝﾄﾞｽﾘｰﾂｰｾﾞﾛﾃﾞｨｸﾞﾘｰｽﾞｱｯﾄｴｲﾄﾉｯﾂ）

（例２）
「風は３５０度から８０度方向で、１２ノットの強さで吹いています。
　また最大瞬間風速として２４ノットが観測されています。」

　→ " WIND DIRECTION VARIABLE BETWEEN 350 AND 080 DEGREES AT 12 KNOTS
　　　 MAXIMUM 24 KNOTS "
　　（ｳｨﾝﾄﾞﾃﾞｨﾚｸｼｮﾝﾊﾞﾘｱﾌﾞﾙﾋﾞｯﾄｳｨｰﾝｽﾘｰﾌｧｲﾌｾﾞﾛｱﾝﾄﾞｾﾞﾛｴｲﾄｾﾞﾛﾃﾞｨｸﾞﾘｰｽﾞｱｯﾄﾜﾝﾂｩｰﾉｯﾂ
　　　ﾏｷｼﾏﾑﾂｩｰﾌｫｱﾉｯﾂ )

（例３）
「風は１８０度方向から１５ノットで吹いています。
　後ろ風ですから注意して下さい」

　→ " WIND 180 DEGREES AT 15 KNOTS TAIL WIND "
　　（ｳｨﾝﾄﾞﾜﾝｴｲﾄｾﾞﾛﾃﾞｨｸﾞﾘｰｽﾞｱｯﾄﾜﾝﾌｧｲﾌﾉｯﾂﾃｲﾙｳｨﾝﾄﾞ）

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